初恋シグナル~再会は恋の合図~
「そっか、うちに来てくれたんだ。それは心強いな。辻村、小学生のころから上手かったもんな」
「そんなことないですけど」
「あはは。また、謙遜しなくていいって。……あれ、でも藤桜に行ったんじゃなかったか?」
「色々あって」
答えた辻村くんに、先輩はそれ以上深く聞こうとはしなかった。
ただ、「そうか」と頷いただけだった。
「ちょっと、一紀」
「おー、美涼。久しぶりー」
「久しぶりー、じゃないわよ。あんたのこと知らない部員もいるんだからちゃんと挨拶して!」
能天気な坂上先輩に、美涼先輩は呆れたようにそう言うと、「集合!」と部員を集めた。
……なんか、久しぶりだな、この感じ。