初恋シグナル~再会は恋の合図~
考えたら、チクリと胸が痛んだ。
……昨日、眠れなかったのは、勉強のせいだけじゃなかった。
辻村くんの言葉が、全然頭から離れてくれなかったんだ。
────好きな人ならともかく、ただのクラスメイトの言葉でこんなに気分が落ちたの、初めて。
私、どうしたんだろ……。
「あ、噂をすれば」
はぁ、とため息を吐いた私は、弥代の一言でびくっと肩が揺れた。
反射的に後ろを振り返れば、机の上にリュックを置く辻村くん。
今日も雨が降っていた。
傘ではしのぎ切れない水滴に、学ランの肩やリュックが微かに濡れていた。
「おはよう…!」
「おー」
おはようって返してよ、っていつもなら思うけど、今日はそんなことより、謝らなくちゃという思いで頭がいっぱいだった。