40歳 朝、勇者に任命される
「お詫びに、10代の体にしてあげました」

えっ?

とりあえず、自分の目で確認できる手を見た。

木目細やかで、つるりんとした、美しい肌。

ついつい見とれる。

若かったときは、こういう、自分の持っている、

若さに、気づかなかったのだ。

今思えば、何てもったいない。

「・・・あ、でもダメよ。

パートに行かないとだし、子供見ないとだし」

「それは、問題ないです。

あなたの世界での時間は止めておきます。

毎日5時間、危険手当込みで時給2000円。

こちらでのお金は用意できないので、

それ換算の金かプラチナで報酬をお支払いします」

それを、売ればいいわけか。

近所に買い取りの店ができたばかりだ。

自分の目がキランと輝くのがわかった。

「でも・・・」

あたしはつぶやいていた。

何が自分をためらわせているのか、もはや分からない
< 4 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop