だぁーッいすき
「だって結局は崩れていくんだよ。
クズなんだよ。」
まきちゃんは何を
いいたかったのか
よく分かんなかった。
だけど今考えれば
凄いと思った。
「なんだよ!」
田中先輩がライターを
投げつけた。
「それはこっちのセリフなんだよ!」
まきちゃんが
キレた。
最初はびっくりしたけど…。
まきちゃんの言うことが
正しくて。
「なんで邪魔ばっかすんだよ!
好きならさー。
その人の幸せを願おうとか思わないの?」
まきちゃんがいった言葉に
みんなの心が揺られたと
思う。
田中先輩は涙目になって
走って帰っていった。
「言い過ぎちゃったかな?」
まきちゃんはそういって
にっこり笑った。
掃除ロッカーから
ほうきとちり取りを出して
灰になった入部用紙を
集めだした。
俺は見ていられなかった。
まきちゃんは
我慢して
傷付いて。
自分を犠牲にして。
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