だぁーッいすき
俺はその言葉を
待っていたんだ。
「智也くんはゆりちゃんの事が好きなの?」
いきなりなんだよ。
ゆりってのは同じ小学校だった。
今は同じ中学校だ。
まじに男好きでたらしなやつ。
街中悠莉。
「街中の事かよ。あいつは大嫌いだ。」
はっきり言った。
まきちゃんが
微笑む。
その顔ヤバいんだって。
「まじで眠くなったよ…。」
まきちゃんの目がとろとろしてる。
「俺がおんぶしてやろうか?」
本当はお姫様だっこしたいくらいだしっ。
「まきは重いしおんぶしてもらったら智也くん大変やろーがっ♪」
なんでのりのりなんだよ。
「いーから早く乗れよ。」
まきちゃんは
ゆっくり乗ってきた。
軽いしっ。
「大丈夫?」
不安そうな声で聞いてくる。
「うん。軽いよ。」
まきちゃんは俺の首に
手をまきつける。
幸せだ。
俺、こんなに幸せで
いいのか?
明日にならないでほしい。
あれ?
まきちゃん寝ちゃったの?
「もぉ食べられないよ。智也くん食べたらいーじゃん」
また寝言言ってるし。
ってかどんな夢見てんだよ。
俺も一応、登場しちゃってるしっ。
いいんだけど。
いつの間にか
家の前にいた。
< 49 / 229 >

この作品をシェア

pagetop