BLOOD§INFECTION
「神ちゃーん?
なんでそんなにオシャレしてるのかなー?」
「おっオシャ!?
ちゃうわ、ボケ!!!
璃玖先輩、あんた頭わいとるんちゃう!?」
「璃玖ー、お前またお菓子そんなに持って行くのかよ。
しかも角砂糖まで。」
「えー、兄さん。
角砂糖はお菓子に入らないから大丈夫だよね。」
「ダメです。
璃玖さん、少し置いていかないと、また前回のようにへましますよ。」
…なんだこの和気あいあいとした空気は
遠足かよ
俺は夕方になって、いつもよりしっかりと気を引きしめてから待ち合わせ場所へと訪れた
きっと、殺伐とした空気が漂っているに違いないと思い、待ち合わせ場所にくる直前に深呼吸までしてきた
なのにこれは
「おー、ひーくん来たみたいだよ、神ちゃん。」
「ななななななんやて!
比奈千春が!?
どこや…!!!!」
とりあえず俺は一歩ふみでて、手をあげる
「……よ、よう。」
すると白髪の璃玖さん似の人がニコニコしながら、近づいてきた
「よー!!
お前が比奈千春?
ははっ、ちっせーな!!!」
バシバシと背中を叩かれ、状況にまだ対応しきれていない俺の身体はされるがままとなる
「…えっと、今から吸血鬼狩りにいくんだよね?」
俺の質問に白髪の男性はケラケラと笑う