BLOOD§INFECTION




何だったんだ、彼女は


きっと、吸血鬼狩りに初心者丸出しの俺を連れていって、俺の使えなさを嘲笑おうという魂胆だろう

そこまで怨まれているのか、俺は


とりあえず、渡すはずだったクッキーを奪われ、食われ、まさかの事態の連続にフリーズした目の前の女子の前で手をパタパタさせる

「おーい?」


するとようやく呪縛からとけたかのように、俺に向き直り、今にも泣きそうな顔をする

「俺の知り合いが、ごめんね。」


まぁ、知り合いといえるかすらわからないほど親しくはないけど

「よかったらまたつくってよ。
俺は食えなかったけど、きっと美味しかったと思うから。」


申し訳ないと思いつつ、彼女の頭に軽く手をおいて自分の教室に戻っていく


後ろから女子の黄色い声と男子の野太い恨み声がしたみたいだが、その時の俺の頭は吸血鬼狩りのことでいっぱいで耳には入らなかったのだった



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