BLOOD§INFECTION



「こうみえて、私は超能力クラスでね。」


彼女がそう呟くと、彼女の周りが発光

光がだんだんと彼女の背中辺りに集まってくる

そして、巨大な羽を形成した


「いくよ…!
たたき落とした後、頼んだよ。」



その言葉とともに、目で認知できないような速度で飛翔

女型の吸血鬼の遥か上でようやく姿を捕らえることができた


「くらいな…!!!」


吸血鬼が気づくより先に、巨大な光の玉が吸血鬼に直撃


致命傷は与えられないものの、そのぶつかった衝撃で吸血鬼が地面目掛けて吹っ飛ばされてくる


「頼んだよ…!」


その落下位置はちょうど俺のところだ


「…これ、絶対成功させなきゃ俺潰れちゃうじゃん。」


グッと黒刀を持つ手に力を込める

すると、あの時感じた電撃のような衝撃が再び腕に走った



「そこだ…!!!!!」



思い切り振った剣先は、くらうまいと落下スピードを緩めた吸血鬼には届いていない

だが、それは計算済み



剣先はとどかなくとも





ありったけの力で振った剣からは、剣よりも鋭い衝撃波が生まれていた





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