幼なじみはイジワル彼氏
莉々の部屋はあたしの隣。
自分の部屋を出て、莉々の部屋のドアをノックした。
「入るよー?」
莉々の部屋はいつ見てもシンプル。
あたしのいかにも女の子って感じの部屋じゃなくて、落ち着いている。
「菜々、なにボーっとしてるの?」
「あ、いや。なんでもない」
「変なの。で…なに?」
本当にあたしと喋る時はクールだ。
クールっていうかめんどくさがり屋なんだけど。
今だってベッドの上でスマホをいじりながら、あたしと会話している。
それに、あたしと歳が1つしか離れていないからか、あたしのことを“菜々”と呼ぶ。