幼なじみはイジワル彼氏
「ちょっとあたし行ってくる。菜々は教室戻ってて!」
「どこに行くの?」
そう聞いたのに、答えてくれなくてそのままどこかへ行ってしまった。
まだ担当の時間終わってないのに…。
あたしは涙を拭いて、教室へ戻った。
目、赤くなってないかな?
「藍澤、マスカラとれてるよ」
「え?」
クラスメイトの清水くんがそう教えてくれた。
清水くんはクラスの男の子の中で一番仲がいいと思う。
恐る恐る目のあたりを触ってみると、マスカラが見事にとれていた。
最悪だ…泣いたせいだ。
「ありがと、清水くん」
「いやいや、あ!午後一緒にまわらない?」
…え?