壊したいから
倉庫に向かった、憎きAD。
あたしはそのあとをひそかに追いかける。
薄暗い倉庫に入って、鍵をかけて。
追い詰められた、子犬みたいな目。
あんたのせいで。

殴りたい衝動を抑えて、あたしは微笑んだ。

あんたにとって、何が屈辱か。
一生懸命考えてあげたんだから。


「あたし、キミが彼と付き合ってるって、知ってるんだよね。」


ずたずたに、してあげる。

あんたみたいな子犬、どうせ女を抱いた事なんてないんでしょ。

「・・・それで、なんでしょうか。」

冷静なふりをしてるつもり?
むかつく。

「ばらされたく、無いんじゃないの?」

怯えた色は隠せないよ。
そのしぐささえ、きっと彼は愛したんだと思ったら、すごく腹が立つ。
でも、今は笑顔で。
精一杯の、悪い女になる。
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