恋をしたのは澤村さん


「いっそのことデート誘ってみるとか?」

「はっ!?」

ボキリとシャー芯が折れる音がした。
ノートに黒くできた点はあたしの混乱を濃く表していた。


「…楓香っ!?あんた何言ってんの!?」

移動教室が一緒だから課題製作を進めていたあたしに楓香は至極、真面目な顔で言った。


「だーかーらー、澤村さんとデート行ってみたら?って」

「デートとかっ!!まず付き合ってないからねっ!!」

大きく否定してみても楓香は飄々と笑う。

「気になるんだったら進まないと始まらないよ?」

「………ただ言うのは簡単よ。でも自分で実行するとなると恥ずかしいでしょ 」


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