蓮華〜流レルママニ〜

桜華の花道



そんなこんなで、Aクラスとしての初日を終えた。

そして、放課後。

教室を出ると、すぐ目の前に小さな女の子が立っていた。

凛音だ。

「あ、凛音。早いねぇ、Bクラスもう終わったんだ?」

「…チ〜ちゃん、一緒に帰ってくれる?」

上目で私を見つめながら、おどおどした口調。いきなり何言ってんの凛音?

「いつも一緒に帰ってるじゃん!さぁ、神名のとこに迎えにいくよ!」

「…ハイ」

あれ〜!?
さては、また何かあったのかな?
何か…とは言っても凛音の悩みは私たちとは全くかけ離れてるので予想できないんだけど。

とにかく神名のCクラスにいこう。ここ桜華学園は、四つの校舎からなっていて、それぞれ1年から3年の生徒の校舎と、職員室や保健室など、その他の教室がある校舎とでハッキリ区分けされている。造りは洋風で、築35年にも関わらず、頻繁に修復工事が行われる為、毎年新築かと思わせる程に見栄えがいい。制服はブレザーで個性的なデザインだけど、男女問わず評判がよく誰もが羨む学園だ。

まぁ『私たち』がこの高校を選んだのは、また違った理由なんだけど…

私も制服は気に入ってます。2枚重ねになったスカートの下から出るフリフリがかなり可愛い。凛音なんて、お人形さんみたいです。
それに比べて、ちょっと男勝りなとこがある神名は、少し嫌がってたけど。


「千草、凛音。お待たせ〜」

Cクラスも終わったみたいだね。

「じゃあ帰ろうか」

神名と凛音は桜華学園のある、この町に住んでいるのでバス通学なんだけど、私は、家が離れているから電車通い。
2人とも、学園を出てすぐのバス停から乗れば近いのに、わざわざ私の利用する歩いて10分の最寄りの駅まで毎日連れ添ってくれます。

帰りが一人っていうのは、寂しいものなので、2人には感謝感激 雨 嵐です。


「神名〜、新しいクラスどうだった?」

下校の帰り道。
桜華学園の近辺には、桜華小・桜華中がほぼ隣接しており、夕方頃になると、この通学路は学生達の声で賑わう。通称…
『桜華の花道』。誰が付けたのか、昔からそう呼ばれてます。
< 31 / 98 >

この作品をシェア

pagetop