蓮華〜流レルママニ〜


「あ、そうだ!今度8月16日の日なんだけど、未央の家に泊まりに行ってもいいかなぁ〜?」

今度は私が話を切り換えた。というか逸らした。

「16日!?どうして?何かあるの?」

「その日は、渚お姉チャンの誕生日なんだけど〜、彼氏さんを家に招いて祝うみたいで、せっかくだから二人きりにさせてあげようかな〜って」

ウンウンと頷く未央。その眼は輝いている。

「…流奈〜、わかってんじゃ〜ん!特別な日は二人で過ごしたいだろうしね〜。いいよ、その日は泊まりにおいで!」

ニッコリと笑顔で承諾してくれた。
でも実際のところは、わかんないんだけどね。彼氏との付き合い方なんて…
只、沙耶チャンや渚お姉チャンを見てると、そういうものなのかなぁって…感じるだけ。



そうして、その後はカラオケに行ったり街をブラブラ歩いたりして、また後日の遊ぶ約束を取りつけ、未央とは駅でサヨナラした。



…人生とは時として複雑なもので、望む時には手に入らず、望まない時に限って…それはやってきたりする。

それは、良いことも悪い事も、思い通りにはならない。
…という事を教えられている気がします。

全ては、『流れ』によって形成されているんだと。
抗えば苦しみ、
逆らえば傷つき…


きっと、これから起こる現実は、何かを生みだす為の流れなんだと…

信じたい…

私に出来るのは…

願うことだけだから…
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