蓮華〜流レルママニ〜

変化



「千草…千草…」


誰…私を揺らすのは…?

「千草…授業始まっちゃうよ…?」


ん…?
あ…いつの間にか居眠りしてたか…

「!?…あくびでもしたの?…涙出てるよ?…あと…ヨダレも…」

クスクスと笑いながら言いにくそうに指摘する由真。

「あれれ、これはダラシナイとこ見られちゃったなぁ〜」


昔の夢…
また見ちゃった…
いつも…目が覚めたら…泣いてる…


…あの時…私は…


「ねぇ千草、今日のお昼ご一緒させてもらってもいいかな?」


「えっ!?あ、うん。全然いいよ〜」

相変わらず、丁寧な口調の由真。
新しいクラスには慣れてきたけど、お嬢様口調な人が多い気がするのは、Aクラスたるゆえんだろうか…。
でも由真はそこまで露骨な喋りじゃないし、凛音に近い感じかな。
まぁ凛音の喋りとはまた違うけど…あの子は、どちらかと言うとお子ちゃまなんだよねぇ。
いつもは、神名たちとお昼食べてたけど、今日は由真様とご一緒させて戴きますわ
…なんて、私には似合わないな〜。このむず痒い喋り方は…。


「ねぇ、千草?聞いてる…?」

「えっ!?」

「いつも学食なの?それともお弁当?」

「うーんとね…学食だったり、お弁当だったり、半々かな〜」

「今日は?」

「朝、寝坊しちゃって、作れなかったから今日は学食〜」

「えっ?千草、いつもお弁当自分で作ってるの?」

少したれ目気味な澄んだ優しい目を大きく見開く。

「アハハ、まぁね〜。大したものじゃないけど」

「え〜!偉いな〜!私なんていつも学食だよ〜」

「でもここの学食おいしいもんね〜」
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