蓮華〜流レルママニ〜
蓮編 其ノ弐

千尋



人は永遠を信じたい。

なぜ信じたいか…

それは
『永遠なんてない』ことを知っているから。
だからこそ、そう望むんだ。

ありふれた物を誰も欲しがりはしないだろう。いつだって手に入るなら、大切にはしない。

手に入り難い物を掴んだ時、その手は頑丈になる。

その差は何だろう…

何も難しいことじゃない。
それは意識の差だ。

自分の感覚だけに留まらず、他の環境に流され、大切な事を薄めてしまってる。

時間と言うには余りに儚い期限というものを宣告された俺は、全てが尊い。

尊いとは言っても、目の前に座るモラルのかけらもない連中や、こんな狭い密室で罪を犯してしまうような低俗な奴らに対してじゃない。

自分の中に湧き上がる感覚、感情、感性、その全てに対してだ。

時間を大切にできない連中には俺の言ってる事はわからないだろう。

何も、ダラダラ過ごすなって言うんじゃない。
感動を持ち、心を動かすことが、どれだけ脳内に刺激を与えるか…

かく言う俺も偉そうに人に説ける訳でもないし、それぞれの生き方もあるだろう。
それに…
少なくとも15年間は周りと何ら変わりはしなかった…

それでも今となっては、昔とは感受性が変わったということさえ自分では気づけない。

ただ…強いて言うなら、自分を大切にするようになった。
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