蓮華〜流レルママニ〜


相手に想いを伝えるには、どうすればいいか…!?


陽輝のその質問に、あからさまに時が止まる。


何て言えばいいか返答に困る…


……

…答えられない様を見せたくもないので、とりあえずは、この場を繋ごう。


「えーと…その…未央って子は、陽輝の気持ちに…気づいてんの?」


「気づくも何も、俺、好きだって告白したし」


質問の肝はそこじゃない、と言わんばかりに陽輝が返した。

「…あ、そうなんだ」


「でも、気持ちが軽いとかで…伝わってこないって言われちゃったよ」


うなだれて肩を落としながら、俺を見る。


…そうだよな、
陽輝が聞きたいのは、その気持ちの強さを、相手にどう伝えればいいのか、って事だよな……



……


「…やっぱり…ムードやシチュエーション…伝える時の口調や態度、全てに表さないと駄目…だと思うな…俺は」


…この答えも俺的には正解ではないけど、陽輝にはOKだろ…


「うーん、そっか…まぁ、そうだよね」

納得したのか、してないのか微妙な顔を覗かせながらも、陽輝は飲み物を取ってくると言って部屋を後にした。


想い…なんてのは一朝一夕で伝えるものじゃない。


…そう陽輝には伝えたかったけど、俺自身もよく分からない。
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