real world


メモリースティックはギラギラと黒く光っていた。


私はそれに不吉さまでを感じる。



「本当に、こんなちっぽけなモノのために、みんな死んじまったんだな…」



5人も。


そして、1人の心をも破壊しようとしている。



「上杉。そういえばどうして神楽と会長がつながってるなんて気付いたんだ?」


「あっといけね。話忘れてたな。」



―始めたものは、終わらせるさ。―



そう言って実の孫をためらいもなく人質にさせた。


あの時、


祖父さまはどんな顔をしていたのか、怖くて考えたくもない。



「…話したくないなら、話さなくていいんだよ?友香のお祖父さんの事だもん。」


「そっ、そんなこと…ない。うん。あたしは強いから、な。」


「友香はねいつも思っている事と逆の事言うの。強くなくてもいいよ。私だって強くない。悠樹君だって直人だって。強いのは弱いのと実は変わらないから。」


「っ…」



強さは弱さと変わらない。


強さだけを持ってる人間なんていない。



花音…



あなたはいつも、私を救おうとするんだね。


< 245 / 330 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop