突然現れた王子
「アユ…顔上げて?」
そう言われて顔を上げると
目の前には愛しいケイタがいた。
「ケイタっ……あたし…あたしっ……」
気持ちを伝えようと、口を開くけれど、また涙が邪魔をする。
ケイタの顔が見えないくらい、涙で視界がぼやけた。
「ゆっくりでいいから…言って?」
優しいケイタの声。
あたしのためだけに向けられたその声が、更に想いを膨らまさせた。
ケイタを好きという気持ちは、
どんどん大きくなっていくよ…