突然現れた王子


そしてケイタは、微笑みながら、

こう言ったんだ。


「アユが、好きだよ」


その瞬間


今までにないくらいの涙が溢れ出して

あたしは床に這いつくばって、思い切り泣いた。


ケイタがたまらなく愛しくて。

離れたくなんかなくて。


けれど、別れは目の前にあって。


声にならない想いが

あたしの中から溢れ出した。




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