突然現れた王子


その時。

ケイタの後ろに光が差した。


あたしたちの別れを、示していた。


「もう…お別れだな」

「ケイタぁ……」

「アユ…好きだよ」

「あたっ…あたしも……好きだからっ……」


あたしはまた涙が溢れて。

もう本当に最後。

ケイタはあたしのそばからいなくなる。


「アユは、笑っててね」

「うんっ……あたし、笑うからっ……」


あたしがそう言うと、ケイタは微笑んだ。




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