突然現れた王子
「あたしまだ……ケイタのそばにいたいです…」
「気持ちは嬉しいけど、あなた疲れてるみたいだから…
家帰って休んで? ねっ?」
母親の言葉に、あたしは下を向く。
ケイタのそばにいたいけれど、許してもらえそうにない。
あたしはゆっくりと頷いた。
「あなた、お名前は?」
「蓮本…アユです…」
「アユちゃんね。
良かったら電話番号教えてもらえる?
ケイタの意識が戻ったらすぐに連絡するから」
あたしは自分の携帯番号を、紙に写して渡した。
ケイタの母親は、笑顔で受け取った。