突然現れた王子


「ねぇケイタ。
あたし明日学校だけど、ケイタどうする?
家にはお母さんしかいないけど」

「じゃあおばさんの手伝いでもしてるわ」

「そっか。分かった。
じゃあもう寝よっか」


あたしは母親の持ってきた布団を、
持ち上げて敷こうとした。

けれど、それはケイタに止められて。


「俺やるから」


そう言ってあっという間に布団を敷いた。


あたしはそれを見て、ベッドに入った。


「電気消すぞー」

「うん」


あたしの返事と同時に、部屋が暗闇に包まれた。




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