突然現れた王子
「……ケイター」
「ん?」
電気を消して少し経った頃、あたしはケイタを呼んだ。
暗闇の中からケイタの返事が聞こえた。
「ケイタがここに来たのって、何か理由があったのかなあ?」
「理由?」
「うん」
部屋のドアを開けると、いきなりケイタがいて。
これがあたしとケイタの初対面で。
なぜケイタがあたしのところに来たのかは分からない。
けれど、何か意味があってきたのではないかと、
あたしは考えていた。