突然現れた王子
あんなに遠慮してたケイタは幻だったわけ?
本当の兄弟のように喧嘩するあたしたち。
兄弟喧嘩を見ているかのように笑う家族。
前よりもご飯の時間が賑やかになった。
「ケイタなんかに唐揚げ取ってあげなきゃ良かった」
「別に頼んでねーし」
…いつからこんなに口悪くなったの?
あまりにケイタが生意気だから、あたしはボソッと言ってやった。
「そんなんだから細いんだよ」
「ぬあっ!?
それ関係ねーだろ!!」