突然現れた王子


電車が目的の駅に着いた。

たくさんの人がホームに降り立つ。

そして同じ方向へと流れていく。


あたしたちもその流れに乗り、駅の外へと出た。

まわりに広がる景色は、騒然としている。


行き交ういくつもの車に、早足で歩いていく人達。

休日の街を表していた。


「じゃあ、行こっか!
ケイタ、あたしから離れないでね」


あたしたちは、たくさんの人に紛れるように、歩き出した。




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