突然現れた王子
そう言ってカーテンを開けて顔を出すケイタ。
あたしはケイタの前に立って、全身を見渡した。
もうそれは、似合うなんて次元ではなくて。
ケイタのために作られたんじゃないかって言ったら、
過言かもしれないけど。
それぐらい似合っていた。
「すっごい似合う!」
「そうか? サンキュー」
あたしが褒めると、ケイタは照れくさそうに笑った。
そこに店員が来た。
「すっごいお似合いですよー!
彼女さん、どうですか?」
「え?」