突然現れた王子


笑顔であたしのことを“彼女”と言う店員。


「いや…彼女じゃないです…」

「そうなんですかー?
いやー、お似合いなんでてっきり」


お世辞にもほどがあるよ。

ケイタも少し困り気味だ。


端からあたしたちはカップルに見えるんだろうか?

今はデート中、なんて思われてるの?


その時、着ていた服を脱いだケイタが、
試着室から出てきた。


「じゃあ、これにしよっか」

「うん」




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