突然現れた王子


だってその証拠に、ケイタにときめく自分に

『ダメだよ!』って言ってる自分がいる。


この気持ちは、一体何?


あたしは一つの気持ちの狭間で、戸惑っていた。


ケイタはお風呂に行く準備をすると、立ち上がった。

かと思うと、あたしの方を振り返る。


「あっ、アユ」

「なに?」


あたしを見るケイタに、また胸はときめく。


「今度の日曜、あいてる?」

「日曜?」

「うん」


“日曜”という言葉に、あたしはドキッとする。




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