君との365日

「海音は?」

「俺は母親と弟おるで」

海音に弟?…海音みたいな関西弁で海音みたいな自己中なんだろうか。
…失礼すぎるね、私。

「そっか」

私だけが、一人暮らしで私だけが、家族いないんだね。

「ねぇ、昼休みさ。屋上いかない?」

「羽音から言うてくるなんて珍しいやん。どないしたん?」

「うん、色々と話したいから」

「ん、昼休みな」

海音は気付いてるのかな。
変なところで鋭いし、変なところで鈍い。
悪いことじゃないけど…たまにイラッとする。

だって、ねぇ?
「大丈夫」なんて言ってられない。
今なら言える気がする。

この人たちなら信じても大丈夫だと思う。
ペラペラ喋ったり…しない。



< 188 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop