* another sky *

「…今日は玲を、…。

とことん、愛してあげる。」


――――?


「…玲が、自分から俺を欲しがるまで…。

泣いても、止めてあげない…。」


―――――!!


一気に跳ね上がった心臓に、私の酔いは一瞬で覚めていく。


「…航太…?」


「ね? ほんと、余裕なくなるの。

玲が、もう、俺しか見えなくなるように、心も身体も縛りつけたいんだ…。」


「私…、航太しか見えてないよ…。」


「知ってる。」


すーっと私の唇を滑る、航太の人差し指。


「もっと、もっと、って思うんだ。

だから、玲の喜ぶ顔が見たいし…。

玲が壊れるまで、愛したい。

俺にしか見せない顔、もっと、見たくて…。

…屈折してる、だろ。」


「……っ。」


「本当は、誰の目にも触れさせたくない。

…なんて、ね。」


ねぇ、航太―――。


取り立てて目立って可愛い方じゃないし。

綺麗な人は、たくさんいるのに。

航太はどれほどの愛を、私に与えてくれるんだろう…。

航太になら、もっと素敵な人、いるのに。


「…私、で、いいの…?

航太には、私なんかで、いいのかな…。

もっと相応しい人、いると思うよ?」


「馬鹿…。」


くくくと笑いながら、瞼に落とされた、柔らかな感触。


「次にそんなこと言ったら、お仕置きだぞ。」


身動きすら出来なくなった私に、容赦なくキスを浴びせていく。
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