* another sky *

子どもたちの公園は、夕方になると雰囲気が変わって、大人たちの憩いの場所になる。


憩いのベンチは、照明の人工的な光の美しさが際立つように、流線形にした。


防犯の為に植栽も低く、屋根のあるスペースには、光を多く取り入れた。


女性同士で語らいも出来るような、そんな公園のイメージカラーはオレンジ。



そう、――――。


航太の家の近くにある、公園。



あの公園からイメージを膨らませていったんだよ。



ベンチに座ってたくさん話をしたよね。



お互いの夢を語り合ったり、将来のマイホームの設計まで意見を交わして。



航太の横に並べるように、私は必死に頑張ってきたと思う。



誰よりも認めてほしかったのは、




航太、――――――。




あなた、だったんだよ……。





ねぇ、航太。




私のデザイン、入賞したんだって。





「玲、凄いじゃん。」


って、褒めてくれる?




私は一人で頑張ってるよ。






航太、―――――。





会いたいよ。






苦しいよ。





航太の占める割合が、あまりにも大き過ぎて…。




私は、呼吸の仕方さえ、忘れてしまいそうになる…。
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