* another sky *
昼休みにメールしようと思っていたのに、食事をする余裕さえなかったもんなぁ…。
『今日、私がご飯つくるね。
何か食べたいもの、ある?
苦手なものがあったら教えて。』
メールを送ってすぐに受信のランプが光る。
『まじで!
玲の作ってくれるものなら何でもいい!』
「……っ。」
もう、それじゃあ、困っちゃうよっ。
『何でもいいは困る!』
『玲の食べたいもので!
楽しみ!!!!!!』
あぁっ、もう、何これ。
翼のメールはいつも簡潔過ぎる。
つい笑ってしまいそうになって、慌てて下を向いた。
…っ、うーん。
私の、食べたいもの…。
何でもいいは困ったなぁ。
翼はアスリートだし…、高タンパクで低カロリーなもの?
…どうしよう。
チキン? 豆腐? ありきたりだよなぁ。
あ、そうだ。
この前お店で食べた鶏の、―――。
じゃあ、和食だな、やっぱり。
―――――――!!
ふと、窓ガラスに映る自分の顔に驚いた。
ちょっぴりにやけて、締りがない。
今から打ち合わせだと言うのに、もうっ。
一緒に…住む…って、どんな感じなんだろう。
時間帯も全く違うし、すれ違いも多いのかな…。
でも今だって、時間帯は違うわけだし…。
お互いの嫌なところ、見えちゃうのかな…。
でも、翼がそばにいてくれたら…、私は…やっぱり嬉しい。
前向きに、考えてみる…?
翼の存在がどんどん大きくなっていくのがわかる。