* another sky *

「ああ、そういえばGreenさん、今日打ち合わせだったね。
玲ちゃんだったんだ。」


「はい…。」


「もう帰社?」


「はい…。」


「じゃあ、飲みに行こうよ。」


――――――――!!


唐突な誘いに、正直、びっくりしてしまって…。

思わず、後退りした私に、佐藤君は苦笑する。


「だから、…そんな怯えた顔で見なくても。
ちょっとだけでいいから、時間くれないかな。」


――――――――!


「…何で、ですか?」


「何でって、仕事半分、その他半分って感じかな。」


…………。


黙り込む私に、佐藤君は堪え切れず笑いだした。


「ごめん、嫌な誘い方だったよね。
30分でいいからお茶でもしない?」


絶対、嫌だ、――――。


私が抱えている仕事は、全く佐藤君と関係ないから。

でも、会社としてアドバンスは大きな取引先だ。

この先、一緒に仕事をすることだって、あるはず。


…………。


「…少しだけなら。」


この際、はっきりしておこう。

仕事とプライベートは、全く別なんだから。

腹をくくった私は、真っ直ぐに佐藤君を見上げた。


「…ありがとう。」


その声が少し悲しそうで、私はやっぱり止めておけば良かったって、後悔する。


だって、……。

どう考えたって、仕事の話は、…ないよね?
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