* another sky *


そうなんだよなあ…。


こういう時の玲って、ほんと、素直。

ちゃんと謝ろうとして、俺の帰りを待ってたんだと思うと、俺も反省しないと。



「…俺も、――――。

自分の意見、押し通し過ぎた。

ごめん。」



―――――。



しばらくの間、沈黙が続く。


いたたまれない空気の中、玲は意を決したように立ち上がった。



「…、もう、寝るね。」


「…ああ。」


「今日は、自分の部屋で寝るから…。」



―――――――!!



そして俺の返事を待たないまま、自分の部屋へと消えて行く。



あーあ。


何で自分の部屋に行っちゃうんだよ…。


喧嘩はその日のうちに、仲直りしたかったのに。



明日の朝には、仲直り、出来るかな。



だけど、ここまで険悪になるようなことなのかよ…?



俺は天井を見上げて、大きく息を吐いた。

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