* another sky *

「うわぁ…。今、一気に酔いが醒めた…。

ねえ、玲、渡瀬さんの友達でフリーの人いない?」


「航太の?」


「あ、それいいね。
渡瀬さんがいたら玲も来るでしょ?」


「じゃあさ、梨花は未来くん誘えばいいじゃん。
玲、渡瀬さんに2人、紹介してって言ってよ。」


「合コンと親睦会ってこと?」


「そんなの、何でもいいのよ。
ね、聞いてみて。」


「わかった。」


「え、なに?

りょうちゃんって、そんなに彼氏欲しかったの?」


何故か必死な綾子に、みんなで笑って。


食べて、飲んで、騒いで。

気付くとゆうに3時間は超えていた。


「麻友理、どうする?」


今日も泊まって、私の家から帰省する予定だった麻友理が、やっぱり自宅へ帰るという。


昼間、高橋君からメールがあったらしい。


「今日は帰る…。」


「高橋君、来るって?」


「うん。バイト終わってから、来るって…。」


「そっか…。」


ちょっぴり情けない笑顔を見せる麻友理に、

「そんな男、もうやめときなって。」

と、梨花が肩を揺する。


「でも、…ちゃんと話さなきゃ。

明日から実家だし…。

話、合わせとかなきゃ、絶対怒られるもん。」


泣きそうになる麻友理に、

「梨花は心配してるだけ。

麻友理は、麻友理が一番したいようにすればいいのよ。」

と、綾子がフォローする。
< 74 / 769 >

この作品をシェア

pagetop