Enchante ~あなたに逢えてよかった~

そして、その数日後。
絢子は夫の秘書を自宅へ呼びつけた。


彼の前に探偵事務所からの報告書と写真をつきつけて問い詰めた。
絢子は夫の腹心の部下である彼が
それは何かの間違いだと否定してくれることに
今更ながら一縷の望みを託していたのだった。


それなのに・・・


「申し訳・・・ございません」


そう一言、苦しげに呻くように吐き出して項垂れた秘書は
夫はその女性のところに寝泊りしているのだと白状した。
いつ出産になるとも限らないので
その日までは彼女のところに居るつもりだという。


「何なの、それ・・・」


マダムだ奥様だと囃されて浮かれ
たくさんのお稽古事に現を抜かしていた自分は
何と愚かだったのだろう。


「どうして?!何なの?!わけわかんない!!」


取り乱した華子は秘書の止めるのも聞かずに母屋へ走り
夫の両親に事実を話した。


義父は「しようのない奴だな。まだ切れてなかったのか・・・」と
苦い表情で小さく舌打ちをした。
しかしその後の義父の言葉は絢子には信じ難いものだった。


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