89×127

「なーにこんな幸せなイベントで浮かない顔してんのさ」



戻ると渚はいち早くあたしの変化に気づいたのか、眉間に皺を寄せながら話しかけてきてくれた。



「渚、あたしはもう中川くんのことなんて好きじゃないからね。心残りもないんだから」


「あら、…やっと渡せたの?」


「さっき、渡してきた。もうやめるの」


「そ。ひかりがそれでいいなら、あたしはその決断を応援するだけだよ」


「…渚さんは優しいなぁー!」



いつだってあたしを否定しない渚は、あたしの背中を優しく押してくれる。

何度この存在に助けられたことか。



「よし!ここからは切り替えじゃ!幸せパワーいっぱいもらって帰ろう!」


「お前らな、こういう場所でも静かにできねーのか?」



渚と二人で「おー!!」っと気合いを入れていると、後ろからそんなことを言われてしまった。




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