89×127

披露


そのあとも滞りなく式は進められ、余興の時間になった。

あたしが作ったスライドショーを流すのはこのタイミングだ。


余興の時間、二人の大学の友だちなどの歌やダンスが披露されるも、他の招待客はあまり興味がないのか、主役ふたりと写真を撮ったり話したりと、余興には目もくれない。


こんな状態であたしのスライドを流したところで、松下たつのりはスライドに集中してくれるだろうか?

あたしの想いは伝わるのだろうか?



「なんか、思ってたよりガチャガチャしてんのね、余興って」


「あたしもびっくりしてる。人の努力をなんだと思ってるんだ」



余興を頼まれた人たちは二人のためにいろいろな努力をしてきたに違いない。


じゃなきゃあんなに踊ったり歌ったりできないだろう。



「あたしの努力は、無駄になんかさせないぞ」


「あたしも手伝ってあげるよ」



そうして、二人で席を立ち、司会者の立つステージ左の様々な機器が置いてある所へ向かう。


あたしのスライドのデータも披露宴が始まる前にそこへ預けてきた。



今行われている余興の次があたしのスライドだったはず。

司会者の口から、ご覧下さいと言われる前に、あたしは司会者のマイクを奪わなければ。



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