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「気に障ったならすいません。俺、あんま得意じゃないんで。」


苦笑いな中川くん。

そうなのかそれはもったいない。写真こんなに楽しいのに。


「ポケットとかカバンとか、一応見ておきます。」

「うん。ありがとう。あたし3年2組の真鍋ひかり。もしみつかったらすぐ届けてくれたら嬉しい。」


それをきいて笑顔で了解の意を示し教室に戻っていく中川くん。

最後の笑顔も素敵スマイルだったな。


その後、お腹を空かせたまま午後の授業に挑むと言う無謀な賭けをしたところ、5時間目の中盤ですでにお腹が鳴り始める。


なんで午後の授業なのに腹空かせてんだよと言った視線は軽くスルーし、一向に終わりの見えない授業と戦っていた。



早く終わるんだ。

あたしは5時間目と6時間目の間の10分で弁当を食い終わらなければいけないという重大なミッションが待ち構えているんだから。




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