杞憂きゆう〜ムダなことなどひとつもないね〜短編集

「 あのさぁ…
りのは
オレの
どこが好きになって
付き合ってるの? 」



りのは
すごく嬉しそうに微笑んで話だそうとしている

この笑顔だったのかな?



「 授は、
めちゃくちゃカッコイイじゃん! 」



「 どこが? 」



「 えー!
授の全部だよ。
顔もめちゃくちゃカッコイイし
背も高いし
頭もいいし…。 」



あー!
オレわかった
オレもこの女と同じだった。
わからなかった答えがわかったよ。



「 それは、ありがとう。
そっかぁ、
オレもさぁりのの
背が低いところ
髪がサラサラで触ってみたいと思ったところ
好きだったんだなぁって
今さ思い出した。
オレも
りのも
お互いの外見が良かっただけなんだなぁ
だから一緒にいる時
ドキドキしないんだよ…
オレ! 」



さっきまで
一人で楽しそうに話をしていた
この小さな口から
どんな言葉が出てくるのだろう。



「 授、
それって、
別れる…
私とは終わりってことなの? 」



「 うん。
今 誰かを好きってないけど…
心から好きになれる人と
一緒にいたいから
終わりにしてほしい。 」



「 りのは
授が大好きだよ。 」



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