「すき」だらけ
辻宮はあたしの頭をそっと撫でた。

「あれはお前の本心じゃなかったんだろ?だってほらこの写真顔赤くして俺のこと見てるし。お前、本心言えない割に顔には出てるからな。でも表情でわかるよりはやっぱり聞きたい。それで傷つくこともあるかもしれねーけどやっぱり無理されるよりはずっといい」




「辻宮・・・」




「だからこれからもちゃんと本心は言ってほしい。傷つくかつかないかは聞いた人間に任せたらいい。それで離れてくようなら無理に付き合う必要ねーよ。自分だけで抑えておくなら表情に出さないように努力しなきゃ無理して抑えられるほうが返って傷つく」




「・・・ありがとう」




「おう。だから俺も本心は隠さねー。好きだったって言うのは一度俺はお前のこと嫌いになった。せっかく高校入って再会したのにお前は似合ってない化粧して取っ替え引っ換えしてるし家には帰ってこないし最低な女に変貌してたからさ。




「・・・うん。家にも帰らなかったし、この家のことすごく嫌いだったしね」

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