True my self -本当の自分-
「ねぇ~…橋元さん?」
私は女の名札を見てそう訪ねた。
「…なによ?」
「除光液借して下さい」
「は?なんでアンタなんかに借さなきゃなんないのよ?!」
「教科書の落書きを消す為です」
「なんでアンタなんかに「じゃあ私はどうして貴女なんかに私物さ汚されなくちゃいけないんですか?」
私は、遮るように言った。
「……」
黙るんなら口出しするのやめてほしい…。
橋元はリュックの中をゴソゴソと漁り出した。
「今日だけよッ?!」
そう言って除光液を突き出して来た。
…優しいじゃんか、この人。
「いえ、今日“だけ”なんて言われても今日以外使わないと思うんで」
そう言いながら、除光液を受け取った。
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