カゼヒキサン。
そこに立っているのは…

タキシードでもやっぱりルーズな…


「滝川先生!!!!」

「や、久しぶり~。」

かるーく手をあげ、挨拶する先生。


「なんでいるの!?」

「花婿さんのどーきゅーせい。」

「啓介さんの!?」

「このまえ中学の同窓会で会ってなぁ、結構仲良しだったもんで誘われたんだよ。」

そういって、ピラッとあたし達ももらった招待状をとりだす。

「先生変わんねーな!」

「弘樹~、おまっ、相変わらずデカイ!!」

先生と同じくらいの背で、ハハーンとさっぴは笑う。

先生は結構デカイ。

そしてさっぴもデカイ。

デカイ。

「…あれ?」

らんちゃんが何かに気付く。

「あっ!!先生ッ、指輪!!」

そう言われて皆、先生の左手の薬指を見る。

キラッ

シルバーの指輪が光る。

「うそ!!いつ!?」

「あー…去年。お前らが卒業してすぐん時。海外で結婚式した。」

「まじ!?おめでと!!」

「お、おう。」

先生は、少し照れた。

「奥さんどんな人~!?」

「…。」

先生は少しためらいながら携帯をとりだす。

「ほれ。」

見せてくれたシャメは、先生と、美人の奥さんと…

「ええええ!?子供!?」

小さい小さい赤ちゃん。

「生後5カ月。女。」

「名前はー?」

「…優しいに里で、『優里』。」

「ゆうり…。」

「へーっ!いい名前だね~!」

「うん。やっぱ大切だから。」

シャメをみて愛おしそうに笑う先生。



先生は先生で やっぱり変わってなくて

だけど変わらない笑顔には

父親の優しさが含まれてて……


変わって、変わんなくて

あったかいとこは皆、そのままだ。

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