カゼヒキサン。
「…そーか?」

少し呆れた顔をした海斗。

そんな顔されて、少ししょぼんとしてしまうあたし…。

笑って、海斗…。


あたしは脇に体温計を挟んだ。


静まり返る部屋。


「そ、そういやなんで海斗は部屋を出てたの?」

何か話題を、と思って必死に見つけ出した話題。

…さっきから頭の中にあった疑問だけど。

「あ?…あ!そうそう。ほいよ、コレ。」

そう言って、頭にコツンと何かをぶつけられる。

「あ!ヨーグルト!」

そう。昨日も食べた、大好きなアロエヨーグルト。

「ほいよ、スプーン。」

「わぁい、ありがと!」

笑顔でそう言うと、海斗もフッと笑った。


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