INそしてOUT
それが涼子だった。
美人でスタイルもよく
親は会社役員のお嬢様。
たまに言うワガママも可愛い。
知り合った涼子に夢中になり、涼子も俺に惹かれてゆく。
金持ちの涼子と付き合えるなら、佳奈はいらない。
ぶん殴ってでも別れようと思っていた矢先だった。
クリスマスが近くなる。
『かわいい。これが欲しい』
涼子が俺にねだったのは、オニキスの指輪。
店の一点物で
黒いオニキスの回りに小さなダイヤがキラキラと並び、ゴージャスな涼子によく似合いそうだ。
そんなに高くもない
20万もあればお釣りがくる。
まぁ、俺には買えないが。
佳奈に電話をし
会社帰りを待ち伏せし
キャッシュコーナーに寄り金をもらう。
『サンキュ』
取り上げてすぐ別れた。
『一緒に外でご飯でも』小さな声で言われたけど無視。
足早に店へと向かう。
冗談じゃない。
だれがお前なんかと。
俺は涼子の
喜ぶ顔しか頭になかった。