INそしてOUT

それが涼子だった。

美人でスタイルもよく
親は会社役員のお嬢様。

たまに言うワガママも可愛い。
知り合った涼子に夢中になり、涼子も俺に惹かれてゆく。

金持ちの涼子と付き合えるなら、佳奈はいらない。

ぶん殴ってでも別れようと思っていた矢先だった。




クリスマスが近くなる。


『かわいい。これが欲しい』

涼子が俺にねだったのは、オニキスの指輪。

店の一点物で
黒いオニキスの回りに小さなダイヤがキラキラと並び、ゴージャスな涼子によく似合いそうだ。

そんなに高くもない
20万もあればお釣りがくる。

まぁ、俺には買えないが。

佳奈に電話をし
会社帰りを待ち伏せし
キャッシュコーナーに寄り金をもらう。

『サンキュ』
取り上げてすぐ別れた。

『一緒に外でご飯でも』小さな声で言われたけど無視。

足早に店へと向かう。

冗談じゃない。
だれがお前なんかと。

俺は涼子の
喜ぶ顔しか頭になかった。
< 12 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop