ラララ吉祥寺

「明日、芽衣さんを一緒に迎えにいきましょう。軽トラですが、車出しますよ」

「はい……」

どれくらいそうしていただろうか……

<ミャァ……>

木島さんに抱かれた格好の、そのわたしの膝の上に乗りたくて小次郎が寄ってきたのだ。

純粋家猫の小次郎は8キロはある大猫だ。

さすがに二人は申し訳ない。

「木島さん?」

すっかり気持ちの落ち着いたわたしは、そろそろここからおいとましようと彼を呼んだ。

「えっ……、あぁ……、文子さん?」

彼はどうやら、眠っていたようだ。

この体勢で眠れるって、ある意味凄い。

「お陰さまで落ち着きました。ありがとうございます」

「それは良かった」

彼はそう言って、わたしの背を軽く押し上げ立たせてくれた。

「気持ちが沈んだら、いつでも言って下さい。座をお貸ししますよ」

「はい……」

なんだかちょっと恥ずかしい。

「明日もあることだし、寝ましょうか」

あ、もう今日ですね、なんて時計を見て彼は笑った。
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