ラララ吉祥寺

「とりあえず、三ヶ月分、前払いで振り込んどいたから」

じゃ、そういうことで宜しく、と彼はパソコンを閉じて席を立った。

「ネットバンクか……」

生意気な、と木島さんが小さく呟いた。

「って、君、布団は? あの部屋板間だよ? どうやって寝るの?

それより、夕食はもう食べたの?」

なんだかわたしは急に彼のことが心配になった。

「さっきコンビニ弁当食ったから、腹は減ってない。

俺、海外の市場を追っかけるから、基本夜は寝ないし。

さっきネットで注文したから、明日の昼頃には荷物が来る。

布団とかいろいろ。

そしたら少し寝る。

俺のことは気にせず、二人で宜しくやってよ」

呆気にとられたわたし達を残し、彼は二階へと消えていった。
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