魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−





フードの狭間から見える憎たらしい笑顔に響は苛立つ。凛の“弟”だと言うのにここまで苛立つ男だとは思わなかった。凛の“弟”なら上手く取り入った方が効率が良いと前々から思っていた。しかしやはり“弟”を目の前にすると、沸々と憎悪が渦巻く。





「相変わらず、ですね。」





何が相変わらずなのか、普通なら言葉足らずで分からないが響には分かった。


此所に響が居ると言うことは凛関連。故に未だに響は凛と関わりがあると言うことだ。


“相変わらず”凛に付き纏う響に“弟”は言う。
< 37 / 317 >

この作品をシェア

pagetop