きみと風になる
「……俺のフォーム。実は沙希がモデルなの、知ってた? 結局、調整が間に合わなくて中学最後の大会は散々だったけど、その代わりに、おまえを見つけた」

私には、村上の背中しか見えない。

「こっから下り坂だから、俺にしっかり掴まっとけよ」

彼がどんな顔しているかは分からなかったけど、熱くなった目頭をそのままに、ブレザーに抱き付く。

「もう一度、走れよ。沙希」

私はずっと、村上にそう言ってもらいたかったんだ。
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